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Bohemian DeDe
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魔法使いの旅行団 12
 イルクーツクからロシア人も我らが車両に乗ってきた。

もう、この頃になると車両中が我らの家、みたいになってきて
お互い気心も知れてきているのでコンパートメントから
コンパートメントへと渡り歩いては”同志”とおしゃべりして
過ごすのは当たり前となっていた。

新参者のロシア人にやあ!と声をかけて、何処に行くのか?とか
聞いてまわって楽しんでいるのはDeDe一人である。

東欧人はみんなロシアが嫌いだ(当時はソ連に抑圧されて
いたから仕方がない)

ちょっとあからさまな位無視している。



団長も知らん顔をしてビールを飲みすぎて、顔を赤くして
寝てしまった。

ロシア人は汽車に乗っていた他の東欧人よりも
はるかに質素で、食料は全部弁当を持って来て乗り込み、
モスクワに着くまで一度たりとも食堂車であたたかい食事を
とったりすることもなかった。

団長が買ってくれた魚の干物ははっきりいってしょっぱいだけで
美味しくなかった。

まずそーな顔して干物をかじっているDeDeを見て、
途中乗車してきたロシア人のワーニャは自分の弁当を
分けてくれた。

それも魚の干物なのだが、駅で買ったものよりやはりずっと美味しい。

美味しい とワーニャに言うと、
おかあさんが作ってくれたんだから当たり前だ
という感じで誇らしげにもうひとつくれる。

ロシア人はみんなもの静かで、音楽で騒いでいる我々とは
違って、それぞれ本を読んだり静かにおしゃべりして
長い列車の旅時間を過ごしている。

ところが・・・
ウォッカを仰いでしこたま酔ったロシア人の大男が
団長の一番弟子の、あのアコーディオンひきを”うるさい”と言って
怒鳴りつけたのだ。

これには魔法使いの旅行団、団員全部がやり返す。

なんとやり返しているのかは皆目分からないが、みんな目が釣りあがっている。

ソビエト連邦共和国とその衛星国であるハンガリー、ルーマニア、
ブルアガリア,ポーランドなどなど、それらの国々は表向きは、兄弟、
同胞という事になっているが
東欧諸国の人たちのソ連に対する恨みは実はすさまじい。

この旅以前にも東欧へは何回か行っていたので、その辺の事情はよく分かる。

体格はロシア人の酔っ払いおじさんの一人勝ち。

だが、彼の怒鳴りに対して団員達は冷ややかなジョークや、やじで応酬して
状況はハンガリーの魔法使いの勝ち。

DeDeは心の中で「おじさん,止めときなよ、この人たち魔法使いだよ。
呪いでもかけられたら大変だよ

と言ってあげたかったのだが、ロシア語は話せない。

当然だが、東欧のソ連の衛星国の人ははみんなロシア語が出来る。
学校で必修科目だからだ。

だからこのアコーディオンの君もロシア語で大男にジョークまがいの
(多分侮蔑の言葉を言っているのではないか?)言葉を投げかけては
アコーディオンを美しく弾き、笑っている。

そのうち、きっと彼の投げかけた言葉はウィットに富んでいたのだろう。
まわりの乗客たちも笑い出して、酔っ払ったロシアのおじさんは
振り上げたこぶしを降ろすしかなくなって、気まずそうに立ちすくんでいる。

*解説* まわりの乗客達というのはロシア人もいるが、人数的には
DeDeと一緒に横浜から乗り込んできた外国人、ほとんどが東欧の
人たちで、みんなロシア語が分かるので、おじさんの味方はいないので
あった。

ほうれみたことか! やはり彼らは魔法使いの一団だ。

赤い顔の酔っ払いロシアおじさんは魔法をかけられ、
その巨体を座席のシートに埋めて、
もういびきをかいて眠らされているのであった。

             
                  Bohemian DeDe





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